三    湖    伝    説

 十和田湖 八郎湖 田沢湖 に 纏わる 壮大 な 龍神伝説 には 諸説 が 交錯 し 3 人 の 形容 すら
   龍 ・ 竜 ・ 大蛇 と 様々 だが 粗筋 や 教訓 は ほぼ 同じ で - 更には 古来 から 伝えられて きた
    数々 の 火山噴火 等 による 自然現象 や 災害 を 伝説中 に 集約 した もの とも 考えられている

 1 十和田 の 娘 と 旅人 の 子 として 生まれた 心優しく 力持ち の 八郎太郎 - 母 は 出産時 に 亡くなり
   父 は 龍 となり 寒風山 へ 消えた ため 祖母 に 育てられ 十和田 で マタギ を して 暮らす 日々 ・・・
  八郎太郎 は 村人 2人 と 狩り に 出掛け 村 の 掟 に 従い 作業 を 分担 し 八郎太郎 は 炊事 を 担当
   沢 で 見付けた 3匹 の イワナ を 焼きながら 2人 の 帰り を 待つ が 待ち切れず 自分 の 分 一匹 を
   食べた が 我慢 出来ず 村 の 掟 に 背き 一人 で 平らげて しまった ところ 喉 が 焼ける よう に 乾き
   33日間 水 を 飲み続け 33尺 の 龍 となり 奥入瀬川 を せき止め 十和田湖 を 作って 主 となった
 
    諸説 @ 村人 2人 には 人間 に 見える が 自ら が 水面 に 顔 を 映す と 龍 に 見えた
      A 村人 は 龍 の 姿 に 変化 した 八郎太郎 に 驚いた
       何れにして も 帰れない 事 を 諭し 八郎太郎 は 現地 に 残った と 伝えられる ・・・
      B 村人 が 父親 の 顔 を 見よう と 跡 を つけ 寒風山 で 見失い 山頂 から 龍 が 上った と ・・・
    教訓 見るな の タブー 最終章 に 象徴 される 構図 と 八郎太郎 の 因縁

 2 京 を 追われた 藤原是真 は 三戸 / 青森県 に 流れ着き 熊野権現 に 祈念 し 南祖坊 / なんそぼう 誕生
  生まれながら 霊感 が 鋭く 幼少 より 修行 を 勧められ 諸国 への 巡礼 では 最後 に 紀州熊野 に 入る
   修行最後 の 日 に 100足 の わらじ の 鼻緒 が 切れた 所 を 終 / つい の 住処 /すみか と せよ との
   御告げ を 熊野権現 / 熊野 に 祀られる 神 から 受け わらじ を 履き 再び 諸国 を 巡り始める が -
    100足目 の 鼻緒 が 切れた 処 は 八郎太郎 が 主 となった 十和田湖 で 南祖坊 は 八郎太郎 に
    法華経 を 唱え 7 日間 死闘 を 続けた 末 八郎太郎 を 打ち負かし 南祖坊 は 龍 に 化身 し
     十和田湖 の 主 となり 十和田神社 に 鉄 の わらじ と 共 に 青龍権現 として 祀られました
 
    諸説 @ 100足 の わらじ A 鉄 の わらじ
      B 八郎太郎 は 8 つ の 頭 に 変化 C 自ら の ウロコ を 8枚 投げ 8頭 の 龍 を 出す
      D 南祖坊 の 経典 9 巻 が 9 頭 の 龍 に なり 1 頭 多い 南祖坊 が 勝利 E 自ら も 龍 に 化身
      F 祈祷 し 続ける と 経典 の 文字 が 矢 と なって 八郎太郎 に 降り注いだ
    史実 900年頃 十和田湖 の 火山 が 数千年来 の 大噴火 を 起こし 火柱 が 上り 噴出物 が
      村 をも 襲い - その頃 天台宗 の 僧侶 / 天台宗 ?が 尋ねている らしく 自然現象 を 天から
       の 災い と 捉える 民衆 が 法力 で 鎮めて もらった 御礼 として 描いた とも 言われる

 3 十和田湖 を 追われた 八郎太郎 は 鹿角 に 湖 を 作ろう と した が 鹿角 の 神々 に 打ち負かされ
  米代川 を 日本海 へ 下り 南下 して 八郎湖 を 作り その 主 となり 平穏 の 時 を 迎える
 
    諸説 @ 鹿角 7 柱 の 神々 A 42 柱 の 神々 B 他 から も 八百万 の 神々 が 集合
        C 川 を せき止めて 作った 八郎太郎 の 湖 の 堤 を 7 神 の 遣い である 白鼠 が 壊した
    史実 十和田 の 火山噴火 で 噴出物 は 各地 の 川 を せき止めた が 後 に 土石流 となり 崩壊

 4 西木村 の 美しい 辰子 は 永遠 の 美しさ を 追い求め 観音 が 御告げ した 泉 の 水 を 飲み続け
   龍 に 化身 すると 天 が 裂け 地 が 割れて 田沢湖 が 出来 その 主 となり 湖底 へ 消えた
    母 は 悲しみ 松明 を 投げ入れる と 此処 だけ に 住む 国鱒 / くにます と なった と 言う

 5 八郎太郎 の 住まう 八郎湖 を 訪れた 渡り鳥 は 辰子 から の 恋文 を 聞かせ 田沢湖 へ 行き来
   するように なると 冬 は 田沢湖 で 暮らした せいで 冬 主 の 居ない 八郎湖 は 凍り 年々 浅く なり
    主 の 増えた 田沢湖 は 凍らず 年々 深く なる と 伝えられ  ・ 現 に 近年 人間 の 手 に 因るが
      八郎湖 は 埋め立てられ 消えた - 南祖坊 も 辰子 を めぐり 争う が 此処 では 負け
       南祖坊 は それから 田沢湖 に 現れず 十和田湖 で 静かに 暮らす と 伝えられる
    八郎太郎 は 毎年 11月8日 夜 田沢湖 に 入水 し その 音 を 聞けば 死ぬ と 伝えられ 村人 は
      祭り で 騒ぎ この 音 が 聞こえない よう に している - 現在 も 辰子姫 を 祀る 神明堂 で 続く
 
    諸説 八郎太郎 は 田沢湖 への 移動 に 昼 は @ 僧侶 の 格好 A 川 を 泳ぎ 繋ぐ
      B 夜 は 旅籠 に 泊まり 金 や 銀 を 沢山 払う ため 喜ばれた が 休む 時 は 龍 に 戻る ため
      夜 は 部屋 を 覗かない よう に させ 覗いた 者 の 旅籠 は 皆 荒廃 した と 伝えられる
    教訓 見るな の タブー 世界各地 の 神話 や 民話 ・ 伝説 に 多い 体系
      異類 との 関わり で 見るな と 言われ 見て 悲劇 や 災難 が 起こったり 家族 では 離別 等
        八郎太郎 の 父 も 異類 / 龍神 だった と 言う 事 か ・・・

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