耐 性 菌 の 誕 生 1
    対細菌 への 抗生物質 の 投与 での 障害
     必然的性格 と 使用方法 の 不備 によって 発現

  1 細菌 に 元来 備わる 機能 ・・・ 最 重 要 因 子 ・・・ 必 然 的 性 格
   @ カビ や 放線菌 は 元来 同一環境下 での 生存競争 に 勝つ為 に 相手 の 発育阻止 や
            殺傷 を 行う 性質 があり それに 対抗 する為 の
抵抗力獲得能力 も 有るのです
   A
伝達性 プラスミド 染色体外遺伝子 ( 通常 の 遺伝子 とは 別 の もう一つの 小さな 遺伝子 )
    は
他の種 との 交雑性 が 高く どんどん 他の細胞 へ 侵入 します
    この プラスミド には 抵抗力獲得 の為に 後天的 に 獲得した
敵細菌 の 情報 を 記した
    
耐性遺伝子 組み込まれており 1 プラスミド に 複数 の 耐性遺伝子 も 存在 し 耐性遺伝子
    が 拡散 し 沢山 の 細菌 に 沢山 の 耐性 が 移行 し 沢山 の 耐性菌 が 出現 していきます
  
2 現代 の 医療現場 ・・・ 過密 な 労働 による 省力化 と 効率化 そして 経済性優先 からか?
   @ 多くの細菌 で 引き起こされた 一連の病気 に 多くの細菌に効く 抗生物質 を ずっと 使用 する
   A 既存 の 抗生物質 で 済む 感染症 でも 意味 も 無く
新 薬 に 飛び付き 色々 混用 する
  
3 処方 された 患 者 ・・・ 処方 された 抗生物質 の 間違った 使用法
   @抗生物質 を 投与後 完治 していなくても 症状 が 軽くなった事 で 治った と 思い 投薬 を 中止
      したりすると 細菌 は 根治 されず 体内 に 細菌 が 残った=
住みつく 状態 で 耐性 を 獲得
   A残った薬剤 を 別の時 に 風邪薬 等として 服用 する事 で
体内 の 有用菌 が 抗生剤 で 殺され
      全て 耐性菌 に 置き換わった 状態 で 体内 で 共存
していると 体調悪化 と 共 に 再発 し
      今度 は
耐性化 している 為 有効 な 抗生物質 が 無く 重症化 してしまい 非常 に 危険 です

  黄色ブドウ球菌 は 人間 の 体内 に 住み着く 常在菌 で 食中毒 の 原因菌 : 腸球 菌 は 常在菌

 
耐性菌登場 による 抗生物質 の 推移  メチシリン バンコマイシン リネゾリド
 

  黄色ブドウ球菌                                 ペニシリンの一種 の
メチシリン
  メチシリン耐性黄色ブドウ球菌  MRSA  多剤耐性菌             
バンコマイシン
    
バンコマイシンは 1956年 (米) 登場 し 副作用 が 強力 なものの @ 耐性菌 が 生まれ難い
     A MRSA を 含む 多くの細菌 に 強力 に 効く
等で 『 世界最強 の 抗生物質 』 との 賞賛
        しかし 1986年 に
バンコマイシン耐性腸球菌 VRE 登場
             2002年 には高病原性 の バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌 VRSA 登場
 
          
バンコマイシン耐性菌 登場 の 背景
           食肉 の 大量輸出国 では 大量生産 に 伴う 感染症 の 予防 と 成長促進 の 為に
           腸球菌 を 殺す 抗生物質 アボバルシン を 飼料 に 大量 に 混ぜて 与えましたが
           飼料 は 毎日 で 量 も 莫大 になり 鳥 の 体内 で アボバルシン耐性菌 が 登場
           その 食肉 を 摂取 した 人間 へも 感染 し アボバルシ ン と バンコマイシン は
           同じ 構造 なので バンコマイシン耐性菌 も 登場 してしまいました
 
           2000年 に 『
最終兵器 』 と 賞賛 される リネゾリド が アメリカ で 承認 され 続いて
           2001年 日本 で 承認 されるまで 何も効かない 多剤耐性菌 として恐れられました
     
35年 ぶりの 新抗生物質 リネゾリド は 全てにおい て バンコマイシン を 上回り 細胞 の
     増殖 に 繋がる タンパク質 の 合成 を 初期段階 で 阻 害 する 最終的 な 切り札 です

     
細菌 = 病原体 にとっては 35年ぶり の 得体 の 知れない 敵 の 登場 となり
     初 の 完全 な 化学合成剤 でもあり 対応 するのに 多くの 時間 を 費やすはずです ・・・


     2001年 ・・・ 2007年現在 でも 全て の 薬剤 に 抵抗 する 多剤耐性菌 が 誕生
    リネゾリド耐性 MRSA ・ 
リネゾイド耐性バンコマイシン耐性菌 LR−VREF 確認
 
 最後 の 切り札 の 温存
   勝 利 の 無 い 終 わ り 無 き 戦 い の 果 て に
    新薬 が 開発 されても 直ぐに 耐性菌 が 誕生 ----- 必ず 耐性菌 が 登場 する となると
    切り札 としての 抗生物質 の
有効期間 を 延ばす 工夫 が 必要で 最新 の 抗生物質 を 効果
    のある 殆ど全て の 細菌 に 使用 するのではなく 最新 の 抗生物質 でしか 効果 が 見込めない
    細菌 にのみ 使用 し 他 は 既存 の 抗生物質 で 対応 する 等
手間 を 惜しまない 努力 が 重要

 原点 に 立ち返る事 で 見えてきた   1999年 発
     耐性菌誕生 への 根本的対処法 の 確立 へ 向けて − 抗菌薬 の 使い分け の 重要性
 

   サイクリング療法 異なる 系統 の 数種類 の 抗生物質 を 選定 し 病棟単位 で 定期的 に 変更
     ミキシング療法  患者 ごとに 複数 の 抗生物質 を 使い分ける
 
      偏った 薬剤 の 使用 = 以前 から 使用頻度 の 少なかった 抗生物質 の 見直 し

 バイオフィルム感染症  新しい 耐性形態 の 登場  難治性感染症
   慢性 の 感染症 で 局所 に 長年 に わたり 生 存 し 続ける 病原体 で 形成
    抗菌薬 が 有効量 に 達しても 以前 のように 効いてこない ・・・ 効き難く なってきた
 
    細菌同士 が 凝集 し 周り を フィルム状 の 覆い で 囲み 抗菌剤 への 耐性 を 獲得
 
   緑膿菌 等 が 関係 し 現在 は マクロライド系抗生物質 で 対処出来る が 今後が 不気味 です

  院内感染 として の MRSA
          
発 生 1960年代 の イギリス ⇒ 1970年代 の アメリカ ⇒ 1980年代 の 日本


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