技  術  開  発  1

 基 礎 − 動力システム ・ エンジン ・ 推進システム − 確 立
 
外燃機関 
 
 蒸気機関         ボイラ− を 使って 水 を 沸騰 させ 蒸気 を 作り その 圧力 で 
                 @ エンジン内 の ピストン を 作動 A タ−ビン を 回転 
 スタ−リングエンジン  シリンダ−内 の 空気 や ガス を 加熱 ・ 冷却 して 温度差 から 
                 回転エネルギ− を 抽出 ・・・ カルノ−サイクル = 最高 の 熱効率 
                 を 生む 仮想機関 に 近いとされ 幻 の エンジン と 言われる 
                 世界 の 潜水艦 で 採用 日本 の 潜水艦 あさしお 退役後 現在 
                 この エンジン を 試験中 ・・・ 次期搭載 も 
 原子力エンジン     原子の安定 ・ 不安定 = 安定性 の 差 = ポテンシャルエネルギ− 
                 を 熱エネルギ− として 抽出 原子炉 を 使う為 危険性 が 高い 
 対消滅エンジン     粒子 と 反粒子 の 衝突エネルギ− ・・・ 同上 高度 な 技術 

内燃機関                            燃える物質 +  酸素 
   物 が 燃える = 燃 焼 ⇒ 燃える物質 に 酸素 が 結びつき 化合 = 酸化 する 科学反応 を 
   激しく 起こす 事 を 燃焼 と 言い 物質 が 無くなる まで 熱 や 光 を 出し続けます 
 
 ガソリンエンジン   ガソリン と 空気 の 混合気 を シリンダ− に 投入し ピストン で 圧縮時 に 
   点火 ⇒ 爆発 ⇒ 膨張 = ピストン の 連続 上下運動 ・・・ 開発者名 を 付けた オット−サイクル 
   と 呼ばれる 火花点火式エンジン で 自然吸気 と 過給器 の コンプレッサ− で 空気 を 圧縮 する 
   タ−ボチャ−ジャ− も あり 三元触媒 で 炭化水素 ・ 窒素酸化物 ・ 一酸化炭素 を 浄化 できる 
         レシプロエンジン     ロ−タリ−エンジン 
 ディ−ゼルエンジン 圧縮 して 高温 になった 空気 に 燃料 を 加え 自然 に 発火 させる 
   燃料 の 引火点 では ガソリン -40度 に対し 軽油 40度 原油 70度 と 高く 安全 
   ガソリンエンジン では 回転数減少時 に 強力な ノッキング現象 が 起こり 停止 したりするが 
   ディ−ゼルエンジン は ディ−ゼルノック と 呼ばれる 小さな 振動 と 常時騒音発生 
   そして 常時振動 が 続く事 で エンジン を 守る為 機関 が 大きく なり過ぎる 点 を 除けば
   圧縮比 を 20 〜 30倍 に 高く 設定 でき タ−ボチャ−ジャ− とも 相性 が 良く 熱効率 も 良い 
   のですが 熱効率向上 の 圧縮比増加 も 機関大型化 の 要因 です 
   三元触媒 が 機能不足 で 黒煙 ・ 炭化水素 ・ 窒素酸化物 ・ 一酸化炭素 が 放出 されます 
   触媒無し では 炭化水素 や 一酸化炭素 は 熱効率 からも ガソリンエンジン 以下 です 
 水素燃料エンジン 水素 は 炭素 を 含まない ので 水しか 排出 しない 無公害 エンジン ですが 
   大気中 の 窒素 のため 窒素酸化物 は 発生 するが どの エンジン より 少ないのです 
   究極 の エンジン でも 水素 の 特性 に 難 が あるのです ・・・ 水素 は 全ての ガス中 最 も 
   密度 が 低く 圧縮 したり 水素吸蔵合金 に 蓄えたり しますが 安全性 が 低く 危険で 21世紀 
   に入り 今後 の 技術開発 が 急がれます 
 ガスタ−ビンエンジン      始動時間 が 短く 冷却水 も 不要 だが 大きい 
   パルスジェットエンジン 第二次大戦中 の ドイツ V 1 飛行爆弾 = 巡航ミサイル で 使用 
    吸気 と 排気 の 際 高速 で 前方 の シャッタ− を 開け 閉め する 
   タ−ボプロップエンジン タ−ボジェット と 同じ 構造 だが 推力 を プロペラ の 動力 に 送る 
    後方排気 で 飛行する タイプ の 大型エンジン が 乗せられない 小型機体 で 運用 
    通常 の 大型ジェット機 の 半分 の マッハ 0.5 程 だが 燃費 は 格段 に 良い 
   タ−ボジェットエンジン コンプレッサ− = タ−ビン による 空気 の 圧縮 で 得られた
    高エネルギ− を 後方 から 噴射 して 飛行 します ・・・ 初期 の ジェット機 
   タ−ボファンエンジン 前方 に もう一つ ファン をつけ タ−ビン とは 別 に 推進力 を 得て 
    追加 後方排気型 の 大型ジェット機 の 大出力 = 大推力 を 支える 大型エンジン で 使用
    される ・・・ タ−ビン の 圧縮量 にも 限界 が 有り 燃焼 に 使われないで 残った 空気 を 
    ファン で 加速 して 放出 する事 で 推力 ・ 燃費 が 向上します 
   タ−ボシャフトエンジン コンプレッサ−用 の タ−ビン と 別 の フリ−タ−ビン を 付け 出力 を 
    ヘリコプタ− の ロ−タ−回転 とする ・・・ 赤外線誘導ミサイル対策 としての 排気温度管理 
   ラムジェットエンジン 超音速状態 の 機体 で 超音速 の 空気流 を インテ−ク で 減速 させ 
    亜音速状態 まで 下げた 状態 で 燃料 を 加えて 燃焼 ・・・ ミサイル 
   タ−ボラムジェットエンジン 飛行速度 に 合わせ タ−ボジェット と ラムエンジン を 切り替える 
   スクラムジェットエンジン ラムジェットエンジン と 同構造 だが マッハ5 以上 の 超音速 で 
    空気流速 を インテ−ク を 使い 超音速内 で 低下 させ 燃料 を 投入 
   コア分離型タ−ボエンジン JAXA が 開発中 の 新型ジェットエンジン 
    タ−ボファンエンジン の 一種 で 圧縮機 ・ 燃焼機 ・ タ−ビン を 搭載 した コアエンジン と 
    クラスタファン を 別々 に 装備 し 複数 の コア で 複数 の ファン を 作動 させ 圧縮空気 の 
    供給先 を 変更 する事 が 出来 色々な 可能性 を 秘めた エンジン と なります 
  アフタ−バ−ナ− エネルギ−出力 が 取り出され ジェットエンジン内 から 排出 されようとする 
    高温 の 排気 に 更 に 燃料 を 投入 ・・・ 再燃焼装置 を 燃焼室 後方 に 設置 し 加速 や 
    超音速飛行 の 決め手 として 軍用戦闘機 などに 装着 されるが 燃費 は 最悪 となります 
 ロケットエンジン 容器内 に 充填 した 物質 そのもの を 後方 から 噴射 
    真空 でも 推進 出来る為 宇宙空間 での 推進力 として 利用 されています 
 
 
真空 の 宇宙空間 では 酸素 が 無く 物質 を 燃焼させる事 が 出来ない為 酸素 は 超低温 の 
 液体酸素 として 地上 から 持ち込み 燃料 に 混ぜて 噴射 しています

 
 
化学ロケット 運動量保存 の 法則 からも 高温 の 物質 が 有利 である為 通常 では 高温 の 
      ガス を 噴射 : 推進剤 = 燃料 と 酸化剤 の 化学反応 で 生ずる 熱エネルギ− を 噴射 
 
  固体ロケット     初期 の 火薬 から 発展して 合成ブチルゴム と 過マンガン酸カリウム の 
               混合物 を 使用 ・ 管理 が 簡単 で 安く 安全 で 簡単 に 高出力 を 得られる 
               が 効率 も 悪く 推力 の 制御 が 難しく 補助推力 としての 利用 となりました 
  液体ロケット     液化水素 等 を 使用し 構造 が 複雑 で 製作 も 維持 も 難いが 再点火 等
               細かい ミッション が 可能 な為 現在 の 主流 と なっています 
  ハイブリッドロケット 固体燃料 と 液体酸化剤 を 使う 化学ロケット 
  電気ロケット     イオン化 された 推進剤 に 電圧 を かけて 噴射 ・・・ 人工衛星 
  原子力ロケット    宇宙空間 での 核爆発 の 禁止 を 決めた 国際条約 から 実用不可能 
                 @ 原子炉 で 推進剤 を 燃焼 A 後方 で 核爆弾 を 爆発 させる 
  
地球上 では 重力 が 大きく ロケット の 運ぶ 最大の物 は 自らを 宇宙 まで 運ぶ 燃料 で 
  重力 の 少ない 軌道上 に 基地を作り そこから 打ち上げる と言う 軌道エレベ−タ− も 模索


ロケットエンジン 開発史 
 西暦 1000年 頃 中国 で ロケット花火 を 武器 として 使用 
 コンスタンチン・ツィオルコフスキ−  
宇宙旅行 の 父 
    ロケット で 宇宙 に 行ける事 を 計算 で 確認 し 構造 を 液体ロケット とする事 を 考案 
 1926年 ロバ−ト・ハッチンス 
近代ロケット の 父 が 液体ロケット を 初発射 
 1927年 ドイツ で 宇宙旅行協会創設 後 ロケット実験開始 
  協会 が 開発した ロケット を 兵器 に 転用 する事を 思い立った ドイツ軍 の 開発責任者 
  ヴァルタ−・ドルンベルガ−大尉 が 会員 の 主導的立場 の ヴェルナ−・フォン・ブラウン 
  を 軍に 召き その流れで 他の 多くの 技術者 も ドイツ軍 に 入隊 
 1934年 ウェルナ−・フォン・ブラウン が 指揮して 軍事用 に エタノ−ル と 液体酸素 を 推進力 
  とする A2 ロケット を 開発 その後 A3 〜 A4 と 進化し 射程距離 170km 到達高度 80km 
  搭載重量 1トン となり 1942年 10月3日 
人類史上 初めて 宇宙空間 まで 到達 しました 
 1943年 A4 を 生産開始 ゲッペルス が 宣伝 ・・・
報復兵器 2号 ・・・ V 2号 
  ブラウン は 移動式 を 薦めたが アドルフ・ヒットラ− は 要塞からの 発射 を 命令 
  レジスタンス によって 伝えられた 情報 に 連合軍 の 執拗 な 空爆 が 始まり 全ての 基地 
  が 壊滅し ブラウン の 移動式 に 変更 大型トラクタ− で 牽引されて 至る所 から 発射可能 に 
 1944年 9月8日 ドイツ軍 から 開放 されたばかり の フランス の パリ と イギリス の ロンドン 
  に 向けて 発射 ・ 総数 : フランス 100機 イギリス 1500機 ベルギ− 1700機 オランダ 19機 
  V 2 を 4機 作るのに 爆撃機 1機 と言う 高いコスト と 低い精度 の 誘導システム でしたが 
  超音速 で 飛来する V2 ロケット には 当時 迎撃できず 多大 な 悲劇 を 生んだのでした 

 ドイツ が 降伏した 第二次世界大戦 末期 には 米 ・ ソ による 技術者 の 獲得競争 が 始まり 
 先駆けた アメリカ は ペ−パ−クリップ作戦 として V2 ロケット を 貨車 300台分 と 
 ウェルナ−・フォン・ブラウン や ヴァルタ−・ドルンベルガ−将軍 を始め 126人 の 主要 な 技術者 
 を アメリカ本国 に 移送 ・・・ その後 の 数年間 は 未使用 の V 2 で 実験 を 繰り返し 1949年 
 改良した 2段式 バンパ− は 世界最高高度 400km を 達成し ウェルナ−・フォン・ブラウン は 
 その後 の アメリカ の 宇宙開発 を 指揮 していきました 
 一方 ソビエト も 250人 の 若い 技術者 と V 2 を 本国 へ 移送 し 色々 な 新型機 を 生み出した 
 が ドイツ人技術者 には 研究 のみで 生産 は 行われず ソビエト の 技術者 は ドイツ の 技術者 
 を まねて 経験 を 積むと ドイツ の 技術者 は 1950年代 ドイツ へ 強制帰国 させられました 
 V 2 の コピ−機 から 始まり スカッドミサイル そして 新しい 次元 へ ・・・ 
 イギリス も V 2 を 数機 捕獲 バックファイア−作戦 として 試射 し 貴重 な デ−タ を 収集 

 
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