新  化  学  進  化  説
          生物 の 進化 から 生命 の 起源 の 瞬間 に 迫る
      生命誕生 40億年 前 の 起源 を 進化系統樹 を 巡り 探求

 RNAワ−ルド仮説   初期 の 生命 は RNA を 基礎 とする
   RNA が 生まれ 後 に 触媒作用 で DNA が 創られ より 安定した DNA生物 が 進化
 
  @ RNA も 生体反応 の 触媒作用 を 持つ
     1981年 アメリカ の 分子生物学者 ト−マス ・ チェック は 触媒作用 を 持つ リボザイム を 発見
     生体内反応 は タンパク質 で 出来た 酵素 により 行われますが RNA にも 生体反応 を 制御
     する モノ が 存在 する 事 を 見付け その 元 と なった RNA = ibo nucleic acid = リボ核酸
     と 酵素 = Enzyme = エンザイム とを 合わせて リボザイム と 命名 しました
     1989年 『 RNA の 触媒作用 の 発見 』 により ノ−ベル化学賞 受賞
 
  A RNA しか 持たない レトロウイルス の 持つ 逆転写酵素
 
  B RNA は スプライシング ( 化合物 を 切断 したり ⇔ 繋げ たり ) する 機能 を 有する
    と 同時 に 自ら
 も 積極的 に 遺伝情報 を 保存 し 伝播 する 機能 を 有しています
 
    生物 では 分裂時 に 遺伝情報 が 翻訳 され 逆転写酵素 により RNA に 遺伝子 = DNA 
     転写 され 更に 再度 逆転写酵素 で DNA を 複製 し 直しますが 全て を 完全 に 複製 せず
     RNA への 最初 の 転写後  更に 再度 DNA に 複製 される 段階 で 選別 が 行われます
     実際 には 遺伝情報 として 機能 しない ?空白? の 塩基配列イントロン を さしひいた
     実際 に 遺伝情報 として 機能 する 塩基配列エクソン だけを 繋げて 接続 していきます

  C 体内 に 共生 する ミトコンドリア  ミトコンドリア RNA  保存 しています
 
  D RNA は DNA に 比べ 変異率 が 高く そのため 進化速度 も 早く 多様性
 に 富む

  
検 証 @ リボザイム は タンパク質 に 比べて 触媒作用 が 極めて 小さく 特異性 も 無い
   A RNA は 分子構造 が 不安定 で 原始地球 の 強い 紫外線 や 宇宙線
 で 分解 される

 プロテインワ−ルド仮説 全ては アミノ酸 の タンパク質 から
   最初 に タンパク質 が 存在 し その後 タンパク質 の 有する 遺伝情報 が RNA に 伝播
   され 次いで DNA に 伝播 された とする 説 で 奈良女子大学 の 池原健二 教授 提唱

 
   ユ−リ− ・ ミラ− の 実験 で 組成 は 違ったものの 地上 で アミノ酸 の 生成 に 成功
 
   @ グリシン ・ アラニン ・ アスパラギン酸 ・ バリン から 触媒作用
 の 強い ペプチド を 重合
   A タンパク質 は 殆ど 全て の 生体反応 の 触媒 であり 代謝系 には
 最重点要素 です
   B タンパク質 は 20種類 の アミノ酸 で 構成 され 多様性 に 富んで います
   C タンパク質 の 酵素 の 触媒 は セントラル ・ ドグマ の 作用 全て に 関わる ものです
   セントラル ・ ドグマ とは 1958年 に イギリス の 生物学者 フランシス ・ クリック により 提唱 され
   セントラル = 中心 : ドグマ = 教義 : セントラル ・ ドグマ は 分子生物学 の 中心原理 と されます
   遺伝情報 の 伝達 は 当初 の 3段階 から 高等生物 での スプライシング の 追加 で 4段階 へ
   DNA ⇒ 複製 ⇒ DNA ⇒ 転写 ⇒ RNA ⇒ スプライシング ⇒ RNA ⇒ 翻訳 ⇒ タンパク質
   D アミノ酸 の 対応 コドン は 全て G から 始まり ・・・ この事 は
 遺伝情報 を
     アミノ酸配列 から RNA に そして
 DNA  伝達 した 痕跡 と 思われます
   コドン とは 核酸 の 塩基配列 が 生体内 で タンパク質 を 構成 する アミノ酸配列 へと 翻訳
   される 時 に 各 アミノ酸 に 対応 する 3つ の 塩基配列 で 伝令RNA  mRNA を 指します

  検 証 @ 偶然 に 重合 された アミノ酸 から 形状 が 無限大 に 考えられる 特定 の
    コンフォメ−ション を 必要 とするタンパク質 の 酵素 が 出来てくる ものだろうか?
     コンフォ−メ−ション とは 立体配座 と 呼ばれる 分子 の 結合形状 を 指し ・・・ 分子 は
     結合 する 時 色々 な 形 に 回転 しながら 結合 していき
 沢山 結合 した 高分子 等 では
     形状 を 作る 自由度 も 飛躍的 に 増えていきます   生体高分子
 も 同様 なのです
    A タンパク質 も RNA 程 ではないものの 分子構造 が 不安定 で 分解 され 易い
    B ペプチド には 複製能力 が 無い


 DNAワ−ルド仮説 
   セントラル ・ ドグマ が 生命誕生 以来 原則的 なもの とすれば DNA こそが 遺伝情報
   の 担い手 であり 2004年 に DNA分子 を 繋ぐ 事 の 出来る DNAリガ−ゼ作用 を
   持つ DNA = デオキシリボザイム の 発見 により 低いながらも 触媒作用 を 有 し
   安定的 に 遺伝情報 を 伝播 する事 が 出来る 点 では RNA や タンパク質 に 勝る が
   低過ぎる 触媒能力 が 災い して 現在 では 可能性 は 低い と 思われています


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