原  発  事  故  発  生


 1979 / 昭和54年  スリ−マイル島 原子力発電所 / TMI  レベル 5
    アメリカ の 東北部 ペンシルバニア州
   1974年 稼動 の 1号炉 に 続き 1978年 12月30日 運転開始 された 2号炉 は 1979年 3月28日
   冷却材消失事故 により 炉心溶融 / メルトダウン 放射能汚染 が 発生
 
   加圧水型原子炉 の 二次冷却系 で 蒸気発生器 への 冷却水 ポンプ の 故障 / 供給トラブル 発生
   二次冷却系 で 冷やされる はず の 炉心 から の 一次冷却系 は 高温高圧 となり 高温 の 蒸気 を
   安全弁 で 逃した ものの 安全弁 が 開いたまま 固着 し 圧力 の 低下 により 原子炉圧力容器内 の
   冷却水 は 蒸気 として どんどん 少なくなり 原子炉 は 自動的 スクラム / 炉心緊急停止 し 次いで
   非常用炉心冷却装置 ECCS 作動 しましたが この時点 で 既 に 温度 ・ 圧力 共 に 下がり 通常
   満たされた 冷却水 も 減り 沸騰水型原子炉 の 冷却水喪失 の ような 炉心溶解 の 危機 迫る 状態
   だったが 沸騰 で 蒸気泡 / ボイド が 水位計 に 入り 数値 を 押し下げ 誤表示 / 水位 が 低く 表れ
   安心 した 運転員 は 手動 で 非常用炉心冷却装置 ECCS を 解除 し 更 に 状態 は 悪化 していき
   自ら の 崩壊熱 で 炉心溶融 / メルトダウン し 核燃料 の 半数 が 溶け放射能汚染 が 発生 ・・・
   全工程 2時間半 で 500 t もの 冷却水 が 流出 し 燃料棒 の 三分 の 二 が 露出 し 後 の 調査 で
   原子炉圧力容器 にも 亀裂 が 見付かり もう少し で チェルノブイリ の 爆発 に 至った との 検証 です
   島内 の 閉鎖環境 下 にある 島民 に ガン急増

 1986 / 昭和61年  チェルノブイリ 原子力発電所  レベル 7
    東ヨーロッパ / 東欧 の ソビエト連邦 - 現 ウクライナ / 1990年 独立
   原子炉 / 4号炉 が 暴走 し 制御不能  炉心溶解  核爆発 の 危機 が 到来
   1983年 に 稼動 した 4号炉 は 初めて の 定期点検 と 各種試験 の 日 を 迎えて いました
   4月25日 未明 から 原子炉停止作業 に 着手 し 定格出力 320 万kW から 降下開始 し 午後 には
   150 万kW 程 に 低下 し 各種テスト を 繰り返し 更 に 降下予定 だったものの 給電指令所 の 要請
   で 160 万kW で 半日 稼動 させ 深夜 11時 を 過ぎ 再度 降下開始 するものの 直ぐに 出力 が
   異常 に 急降下 し 停止状態 にまで 至りましたが 予定 していた 大地震 等 による 緊急停電時 の
   原子炉緊急停止プロセス の テスト を 行う 為 再上昇 を 試み 20万kW で 安定 したため 予定以下
   の 低い 出力 で 26日 1時 に 実験 を 開始 し 1時23分 テスト 終了 後 原子炉停止作業 の
   最終段階 で 運転班長 は 出力降下 の 為 に 制御棒一斉挿入 の ボタン を 押しましたが 逆 に
   出力 が 急上昇 して 原子炉 は 暴走 し 1時24分 原子炉 は 溶解 し 爆発 に 至り ました
 
   制御棒一斉挿入 で ポジティブスクラム が 発生 し 急激 な 出力上昇 で 高温 となり 燃料棒
    も 解け 大量 の 蒸気 が 正 の ボイド係数 を 併発 し 更 に 出力 が 上昇 し 制御棒 も 破壊
    され 原子炉内 の 水蒸気 の 圧力 が 天井 を 突き上げる 形 で 水蒸気爆発 して いきました
 
   21万人 の 移住  ガン急増 等 各種疾病 発生  大規模 な 食料 の 被爆

 1999 / 平成11年  ジェー ・ シー ・ オー / J C O  レベル 4
    茨城県 那珂郡 東海村 の JCO 東海事業所 / 1980年 住友金属鉱山 から 独立 した 子会社
   工場内核反応 から 臨界 へ 突入 し 制御 出来ず 超臨界 で 核爆発 の 危機 1972年 開始
    転換試験棟 で 軽水炉 用 ウラン燃料 の 濃縮  高速増殖炉 - 常陽 用 燃料 の 加工 を 共用
     使用 される 燃料 の 元 の 濃縮度 軽水炉 用 3 % - 高速増殖炉 用 18 %
 
   裏マニュアル を 作成 し 作業者 は 核 の 危険性 も 知らされず 無計量 手作業 バケツ使用
    等々 の 逸脱 した 行為 の 繰り返し の 末 に 1999年 9月30日 10時35分 が やってきました
   事故当日 は 高速増殖炉 - 常陽 の 燃料 の 製造中 であった ものの 軽水炉 の 燃料 と 間違い
   7倍 の 量 を 投入 した 事 が 直接 の 原因 で 臨界 に 突入 してしまいました 基本作業法 の 逸脱
   青い閃光 目撃 = 臨界状態 に 達した 核物質 の 周囲 の 空気 が 強い X線 等 の パルス で 電離
   臨界 は 20時間 にも 及び 最終手段 で 人間 が 直接 ホウ酸 を 投与 し 終息 しました
 
   周辺住民 の 避難 や 鉄道 ・ 道路 の 通行止め から 陸上自衛隊 への 災害派遣要請 に 至った 後
   小渕総理 の 緊急テレビ速報 まで 行なわれ - 2人 死亡 という 日本最悪 の 原子力事故 へ ・・・
 
   被爆作業者 3名 は 放射線医学総合研究所 へ 搬送後 2名 は 骨髄移植 のため 東大病院 へ
    17グレイ 被爆 の 作業者 / 核爆発 の 爆心 と 同等 は 移植 に 失敗 し 83日 後 の 12月 死亡
    10グレイ 被爆 の 作業者 は 移植 には 成功 し 回復 するが 急変 し 211日後 の 4月 死亡
    4グレイ  被爆 の 作業者 は 一次 白血球 が 0 に なった ものの 回復 し 12月 退院
   被爆治療 毎日 10 リットル もの 輸血 + 大量 の 鎮痛剤 + 骨髄移植 + 皮膚移植 + ???
    日本 は 被爆治療 の 経験 が 無く 試行錯誤 で 種々 の 手 を 尽くす ものの 8グレイ 以上 の 被爆
    では 医学的 に 最新医療 を 以ってしても 手 の 施しようが 無く 2人 共 放射能 による 多臓器不全
    状況 を 知らされず 救助 に 駆け付けた 救急隊 3名 二次被爆  消防隊 ・ 救急隊 が 多数被爆
 
   企業ぐるみ で 利益追求 に 走り 裏マニュアル での 製造指示 で 尊い 命 が 失われました
   現代 に あっても 難解 な 核知識 に 対する 関係者 = 企業 と 作業者 の 低い 危険意識

 2011 / 平成23年  東京電力 福島 第一原子力発電所  レベル 7
    福島県 双葉郡 大熊町 と 双葉町 の 町境
   東日本大震災 で 震度 6 強 に 見舞われ 6 機中 稼働中 の 1号機 ・ 2号機 ・ 3号機 は
    自動停止 した が 電源関係 全喪失 で 炉心冷却系 が 全滅 し 炉心溶融 / メルトダウン
     更 に 高い 放射線 に 阻まれる 復旧工事
 
  事故 の 経緯  震災当日 3月11日
   外部電源 2 系統 全喪失 原発内 で 融通 し 合える 2 系統 の 送電システム が 同時崩壊
    1 〜 4 号機 用 と 5 〜 6 号機 用 の 設備 や 送電線 が 倒壊 し どちらも 使用 出来なくなる
   非常用交流電源 / 発電機 全喪失 震災直後 に 発電機 が 作動 するも その後 の 津波 により
    燃料タンク 諸共 流出 や 浸水 し 全電源喪失状態 が 発生
 
   東京電力 は 第一次緊急時態勢 を 発令 し 原子力災害対策特別措置法 に 則って
    国 と 関係自治体 へ 通報 ⇒ 国 は 原子力緊急事態宣言 を 発令 する と 共に
     半径 3 Km 以内 の 住民 1864人 に 避難命令 - 10 km 範囲 は 屋内退避 指示
 
   12日 1号機 から 異常 が 発生  原子炉格納容器 の 圧力 が 急上昇 し ベント / 蒸気開放 で
     格納容器 は 守られた が 建屋 が 水素爆発 で 大破 し 周辺 で 核反応 による 圧力容器内 の
      セシウム が 検出 され 燃料 の 溶融 と 漏れ が 示唆 される   海水注入開始
   13日 1号機 と 3号機 で 危機  燃料棒 が 冷却水 から 露出 し 注水 しても 水位 が 変わらず
   14日 3号機 と 2号機 で 危機  3 号機 は 建屋 で 水素爆発 し 2 号機 は 燃料棒 全露出
   15日 2号機 の 圧力抑制室 が 爆発 し 最後 の 砦 が 破られる
    密閉 された 原子炉格納容器 で 設計圧力 を 超え 圧力抑制室 / サブレッションプール では 下がる
    何が何でも止めろ !!! 厚生労働省 は 年間許容放射線量 を 此処 の 作業 に 限り 2.5 倍 に
   16日 4号機 で 出火 し 3号機 で 白煙
   17日 3号機 に 放水 空 から 陸上自衛隊 の ヘリ で 4 回 - 警視庁機動隊 は 高圧放水車 で
     その後 も 難題発生 に 一進一退 で 配信 される 状況 にも 遅れ が 目立ち 右往左往
     5月 に 至って も 危機 の 連続 で 次 から 次 へと 異常事態 が 発生する が
      4月17日 東京電力 発表 事故収束見込み は 2012年1月 冷温停止 との 事
    何時 の 日 か 正確 な 実況見分 が 出来る 日 まで 収束 を 見守り ましょう ・・・
 
   原発 は 割 に 合う もの なのでしょうか
    運転中 に 緊急自動停止 し 冷却系 を 全喪失 した 3 機 は 元より - 点検 で 停止中 だった
     原子炉 を 含めた 全て の 原子炉 でも 使用済み核燃料 を 抱えており  - その 管理 にも
      危険 が 伴う と 言う 核 を 使う 原発 の 厄介 な 面 が 浮き彫り と なりました
      使用中 も 使用後 も 燃料 は 絶えず 冷やして おかな ければ 再び 温度 が 上昇 し
       再臨界 も 起こり得る 緻密 な 連携 が あって の 原発推進 なのです
 
     1号機 運転中  緊急自動停止 水素爆発で建屋大破 使用済み核燃料損傷
            炉心 と 使用済み核燃料プール に 燃料棒 燃料露出
     2号機 運転中  緊急自動停止 使用済み核燃料損傷 原子炉 の 圧力抑制室 破損
            炉心 と 使用済み核燃料プール に 燃料棒 燃料露出
     3号機 運転中  緊急自動停止 水素爆発で建屋大破 使用済み核燃料損傷
            炉心 と 使用済み核燃料プール に 燃料棒 燃料露出
     4号機 定期点検検査中 水素爆発で建屋大破 使用済み核燃料損傷
            使用済み核燃料プール だけ に 燃料棒 / 炉心 から も 移送済み
     5号機 ・ 6号機 定期点検検査中 5 月 時点 異常ナシ の 予想
 
  事故 の 発端 - こうやって 事故 は 起こった    此処 でも 官民 癒着 の 構図 が ・・・
    1990 / 平成2年 内閣府 - 原子力安全委員会 発表  発電用軽水炉 の 安全設計審査指針
      『 長時間 の 全電源喪失 考慮 する 必要 は 無い 』 - 原発設計 の 基礎 として 今日迄 流用
       発電機 の 即時稼動 や 早い 外部電源 の 復旧体制 を 前提 として いた が 発電機 は
       設置位置 が 低く 津波 で 浸水 したり 流出 し 壊滅 - 外部電源 は 東北中 の 発電所 の
       自動停止 で 長引き 国 は この度 よく 聞かれた 『 想定外 』 で 危機管理 の 甘さ を 露呈
      なぜ 安全策 をも 必要無い とした のか - やはり 原子力政策 を 推し進める 日本政府
       に とって 建設 の コスト を 少しでも 落とさせて あげる 為 や 天下り の 為 だった のか ・・・
        震災後 非常用発電機 の 設置位置 を 高所 へ 移す 工事 が 全国 で 始まる
 
     指揮系統 の 不在 と 混在   内閣 と 共 に 二つ の 組織 も 不協和音
      原子力安全・保安院 / NISA  経済産業省       スポークスマン 登場
      原子力安全委員会       内閣府 - 総理大臣 及び 内閣 を 補佐
 
       事故 の 経緯 が 明らか と なり つつ ある 5月 には 事故当初 の 海水注水 の 是非 で
        炉心溶融 で 原子炉損傷 に 至る プロセス で 海水注入 を 50分 停止 した 事 での 影響
        を 指摘 され 内閣 は 原子力安全委員会 委員長 M が 海水 で 中性子 が 減速 する 事 で
        再臨界 が 起こる かも 知れない と 言われた から と 説明 し それ に 対して M は - 私 は
        原子力 の 専門家 で そんな 事 を 言う 訳 が ない と 反論 し 『 可能性 が ゼロ では 無い 』
        と 言った と 玉虫色 の 折り合い を 付けて 幕引き と なったが 内閣 が 雇った ブレイン と
        言い争い 等 政権発足以来 懲りない 面々 である が 安全保障 を 任せる には 不相応 か
        実 の 無い 信頼関係 の 上 に 築かれた 泥 の 城 は 何時 も 直ぐ 崩れる

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